内容
乳房炎は、乳用牛の疾病の約3割を占めるといわれており、ほぼすべての臨床獣医師がかかわる疾病だと考えられます。臨床症状がなくとも乳質・泌乳量の低下などを生じることがあり、酪農業に対する経済的な影響も大きく、炎症による疼痛などは動物福祉の観点でも問題とされています。本号では、乳房炎の基礎的な機序・原因に加えて、最新の検査・治療のポイントや様々な観点からの改善事例、今後の治療・予防への展望などをトピックで紹介していきます。
目次
Chapter1 総論1-1 乳房炎はなぜ問題か? なぜ起こるのか? ~乳房炎対策への第一歩~ 大林 哲
Chapter2 検査・診断
2-1 根拠に基づいた治療戦略構築のための迅速微生物学的診断 鈴木直樹
2-2 バルクタンク乳モニタリングによる乳房炎コントロール 三好志朗
2-3 超音波検査による乳房炎の病態評価 小宮美玖
Chapter3 治療
3-1 乳房炎治療の考え方 楜澤共生
3-2 乳房炎治療における非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の活用 久枝啓一
3-3 乳房炎において重要な薬剤耐性菌 菊池允人
3-4 選択的乾乳期治療 菊 佳男
3-5 黒毛和種の乳房炎 加藤友裕
Chapter4 予防に関する事例紹介
4-1 乳房炎防除管理プログラムに基づく乳質改善対策の事例 高垣勝仁
4-2 乳房炎多価不活化ワクチンの多年度接種による効果検証 安藤達哉
4-3 ワクチネーションと衛生管理の改善による大腸菌群性乳房炎の制御 赤松裕久
Chapter5 今後の展望
5-1 乳房炎に対する新たなワクチン開発の展望 長澤裕哉
5-2 乳房炎にかかわる遺伝子 増田 豊
監修:河合一洋
編集:『臨床獣医』編集部
A4判 118頁
2025年6月発行
定価:本体4,500円(税別)
編集:『臨床獣医』編集部
A4判 118頁
2025年6月発行
定価:本体4,500円(税別)
臨床獣医 2025年臨時増刊号