養豚現場で使う薬のQ&A

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    内容

    抗菌薬を中心とした豚の薬の、現場での使い方・考え方のポイントをQ&A形式でわかりやすく紹介。総論、各論、付録の3章構成で、薬の使い方の基礎から臨床応用まで薬理学的視点を交えて解説。獣医師から養豚場のスタッフまで幅広く活用できる一冊。

    【本書のポイント】
    ●Q&A形式だからわかりやすい。薬剤の特性、投与法などを基本から解説。現場での疑問やポイントがすぐにわかる。
    ●薬理学的な視点も交えた解説により、疾患ごとの薬の使い方・考え方をしっかりと理解することができる。
    ●研究会で行われている議論・実例をもとに解説しているため、実践的で現場ですぐに活用できる。
    ●イラスト・図表など、豊富なビジュアルとともに解説しているため、わかりやすい。
    ●安楽殺の解説および抗菌薬の有効菌種の一覧を付録として収載。

    目次

    Chapter 1 薬の基本Q&A
    Q1 薬ってどんなもの?
    薬は小さな有機弱電解質化合物
    薬の大きさ/水への溶解性/有機物であること/弱電解質であること
    薬と薬剤は別物
    column 注射液はなぜ白濁するのか?

    Q2 抗菌薬と通常の薬との違いとは?
    細菌について
    大きさと形/細菌の構造/細菌の増殖速度と感染部位のコロニー数/農場動物での重要病原菌
    抗菌薬の細菌への攻撃
    細胞壁の合成阻害/タンパク合成系の抑制/染色体DNAへの作用/抗菌薬はマイコプラズマが苦手
    細菌は抗菌薬から身を護る
    細菌の耐性能獲得/バイオフィルムの形成

    Q3 豚への薬の投与方法にはどんなものがある?
    注射投与(静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射)
    静脈内注射(静注)/筋肉内注射(筋注)/皮下注射(皮下注)
    経口投与
    豚消化管の薬物吸収能力/不断給餌投薬/飲水投薬
    column 養豚場における経口投与(飼料添加、飲水投与)の考え方
    その他の投与
    気道内投与/腹腔内注射
    投与方法の選択に際して大切なこと

    Q4 薬力学とは何ですか?
    最小発育阻止濃度(MIC)
    最小発育阻止濃度(MIC)の測定/養豚での抗菌薬の殺菌性/静菌性の考え方
    抗菌薬の相加作用、相乗作用、拮抗作用
    相加作用と相乗作用/拮抗作用
    濃度依存性・時間依存性
    PAE
    抗菌薬使用の限界
    耐性菌を出さないためには
    抗菌薬の副作用

    Q5 薬は体内でどのように動くのでしょうか?
    コンパートメント解析
    コンパートメントモデル/動態パラメーター
    抗菌薬の消失経路
    column PK/PD理論について

    Chapter2 豚への薬の投与Q&A
    Q1 薬の半減期と休薬期間について
    抗菌薬を規定量の2倍、3倍投与した場合の休薬期間はどの程度延長する必要がある?
    残留基準より投与期間を延長した場合の休薬期間はどのように設定したら良い?
    ベンジルペニシリンプロカインの休薬期間は、通常の用量と豚丹毒治療の用量でも同じです。休薬期間が用量の多い豚丹毒治療をもとに設定されているとしたら、通常の用量では休薬期間を短くしても良いのでしょうか?
    半減期が数時間と短いのに休薬期間が数週間と長い薬剤があるのはなぜですか?
    column 休薬期間の申請の実際
    column 用法・用量よりも多い、長い投与が必要となる場合

    Q2 薬物の分布は、臓器や部位によって違いはありますか?
    薬物が分布しやすい臓器と分布しにくい臓器があるのはどうしてですか?
    肺炎や下痢で使われるST合剤の臓器分布は?
    粘膜からの吸収が悪いとされる抗菌薬は効果がありますか?
    column 抗菌薬の相乗効果が現れる仕組み(アミノ配糖体系の拡散性)
    細菌性関節炎に有効な抗菌薬はどのように考えて選ぶ?
    column 様々な抗菌薬の関節液への分布試験
    抗菌薬を注射した場合に、腸内細菌叢を壊す可能性は?
    column 腸内細菌の耐性化は抗菌薬の注射でも起こる

    Q3 薬の投与方法の違いにより効果に差は出ますか?
    投与方法の違いによる薬の効果の差は?
    細菌性下痢の治療に効果的な薬の投与方法は?
    細菌性の子宮疾患を想定した場合、抗菌剤の筋肉内注射と子宮内注入剤を使い分ける判断基準はありますか?
    髄膜炎の初診時に推奨される薬剤は?
    乳房炎や関節炎への抗菌薬はどう考えると良いのでしょうか?
    column 消化管の薬物吸収能力

    Q4 抗菌薬の効果判定はどのようにすれば良い?
    抗菌薬の効果の判定の仕方は?
    人医療における抗菌薬の効果判定
    CRP(C反応性タンパク)/赤血球沈降速度(赤沈)
    診断的治療と経過観察
    下痢、肺炎に抗菌薬を使い、症状が好転した場合、抗菌薬の血中濃度をどの程度維持すると良い?
    細菌感染症の急性期(感染初期)と慢性期で、抗菌薬をどう選ぶ?
    column 抗菌薬の止めどき・変えどき

    Q5 抗菌薬の「世代」って何ですか?
    抗菌薬の世代とは?
    薬剤の世代による使用の違い

    Q6 マクロライドの抗菌活性以外の薬理作用とは?
    マクロライドの抗菌活性以外の薬理作用
    食欲増進作用/免疫調整と抗炎症作用/駆虫作用/抗ウイルス作用/その他
    column マクロライド系の薬剤感受性試験

    Q7 抗菌薬に副作用はありますか?
    農場での抗菌薬使用による副作用の事例
    アミノ配糖体(アミノグリコシド)による腎障害/マクロライド系による消化器障害/フルオロキノロン系によるけいれん発作/サルファ剤による腎障害
    抗菌薬の飼料添加による菌交代症と過敏症
    菌交代症/過敏症
    抗菌薬投与によるその他の副作用
    ペニシリンショックはジェネリック医薬品の方が多い?

    Q8 耐性菌はどうして問題?
    薬剤耐性菌はなぜ問題なのか?
    細菌の薬剤耐性メカニズムとは?
    薬剤耐性菌の発現後に抗菌薬の使用を止めた場合、どのくらいで農場内から消失する?
    耐性の消失について
    薬剤耐性菌の観点から見たロングアクションタイプの抗菌薬
    世界的に使われている、動物用のβラクタマーゼ阻害薬配合のβラクタム系抗菌薬(オーグメンチンなど)が日本にはないのはなぜ?
    column 薬剤感受性はどのようにして調べるの?

    Q9 養豚現場で使う抗炎症薬にはどのようなものがありますか?
    炎症ってどんな現象ですか?
    炎症の一連の生体反応の物質の流れ
    養豚現場で使用される抗炎症薬
    ステロイド系抗炎症薬(SAIDs)/非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)/SAIDsとNSAIDsの使い分け

    Q10 抗炎症薬の副作用と、抗菌薬との併用効果は?
    抗炎症薬の副作用は?
    ステロイド系抗炎症薬(SAIDs)の副作用/非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の副作用
    プレドニゾロンの免疫抑制効果はどの程度考えれば良い?
    フルニキシンは、牛では静脈内注射ですが、豚では筋肉内注射です。
    豚での投与時の疼痛は強いように思いますが、大丈夫でしょうか?
    抗菌薬とNSAIDsを併用効果は?
    乳房炎の治療で抗菌薬とSIADsの併用は効果が良い?

    Q11 尿路感染症ではどの抗菌薬を使用するのが良いですか?
    尿路感染症とは?
    尿路感染症での抗菌薬の選び方
    菌の特定
    腎炎および膀胱炎には、どのような抗菌薬が良いでしょうか?
    レプトスピラ症の尿路感染ではテトラサイクリン系抗菌薬が有効なのはなぜ?
    レプトスピラに対しての薬剤選択
    column レプトスピラによる豚の異常産発生と対策の実例

    Q12 髄膜炎治療ではどの抗菌薬を使用するのが良いですか?
    髄膜炎で推奨される抗菌薬は?
    豚レンサ球菌による髄膜炎の治療でペニシリン系抗菌薬の効果的な投与方法は?
    column 豚レンサ球菌とベンジルペニシリンの投与量と投与間隔

    Q13 浮腫病では抗菌薬をどのように使用するのが良いですか?
    浮腫病のときにコリスチンはどのように働くのですか?
    浮腫病のときに亜鉛はどのように働くのでしょうか?
    浮腫病にはフルオロキノロン系抗菌薬の投与は注射投与と経口投与のどちらが良いでしょうか?
    浮腫病の際の浮腫と急死はどのようにして起こる?

    Appendix
    Appendix1 豚の安楽殺について
    安楽殺の手技
    豚の安楽殺手技/豚のサイズによる手技の適/不適
    薬物による安楽殺
    動物の意識消失が重要/推奨される薬物/薬物による殺処分で、禁止あるいは好ましくない事項
    意識消失に用いる薬剤、安楽殺剤:学術論文からの情報
    ケタミンの代替薬/安楽殺剤の薬効と副作用の比較/炭酸ガスによる安楽殺について
    Appendix2 抗菌剤の有効菌種(皮膚炎、敗血症、呼吸器感染症、呼吸器・関節炎)
    Appendix3 抗菌剤の有効菌種(腸管感染症、尿路感染症、化膿性疾患、トキソプラズマ病)

    編:日本豚病臨床研究会
    監修:小久江 栄一
    B5判 120頁
    ISBN978-4-89531-867-9
    2022年10月発行
    定価:本体6,800円(税別)


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