動物福祉の科学

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    内容

    旧版『動物への配慮の科学』を大幅に刷新した第2版が登場!
    全世界で読まれている動物福祉解説書の世界的スタンダードの最新版!

    世界中で関心が高まり、多くの専門家による研究が進展している動物福祉について、科学的な研究と評価から現実問題に対する解決方法の実践まで、広範な取り組みを体系的に整理。世界中の近年の研究成果をもとに動物福祉の現状を総括し、全体像を把握するのに役立つ一冊。

    ≪旧版『動物への配慮の科学』からの主な変更点≫

    ○動物福祉に関連する広範な専門領域をカバー
    内容の大幅な改訂はもちろん、旧版では9カ国34名だった著者が13カ国46名に増え、本書で取り扱う範囲も拡大。専門領域を幅広くカバーした内容に。

    ○近年公表された論文を掲載し、動物福祉の現状を総括
    引用している論文のうち、60%以上を原書『Animal Welfare』初版(1997年)発行以降に公表された論文に変更。近年の研究成果を反映し、旧版の歴史的考察を中心とした内容から、動物福祉の現状の総括へと重点を移行。

    ○旧版にはなかった新章を追加し、より充実した内容
    新章として、第12章「動物福祉を評価(および改善)するための実践的戦略」、第19章「国際的な課題」の2章を追加。

    目次

    PART1 論点
    第1章 動物倫理
    1.1 はじめに:倫理観の根拠を示すことの必要性
    1.2 動物に対する人間の義務に関する5つの考え方
    1.3 思想の結合と意思決定
    1.4 結論

    第2章 動物福祉を理解する
    2.1 はじめに
    2.2 動物福祉の簡単な歴史
    2.3 福祉と動物の主観的経験
    2.4 健康、生産、繁殖
    2.5 動物の福祉、自然な行動、動物の「自然性」
    2.6 結論

    PART2 問題点
    第3章 環境からの刺激と動物の主体性
    3.1 はじめに
    3.2 主体性と潜在能力のそれぞれの面
    3.3 問題解決、探査および遊びにおける主体性と潜在能力の表現
    3.4 主体性は適切な刺激に反応する
    3.5 福祉における主体性や潜在能力の重要性
    3.6 制限された環境における主体性と潜在能力の抑制の影響
    3.7 主体性および潜在能力の表現はすべての動物で同じか?
    3.8 主体性と潜在能力の総合特性:それは何を意味するのか?
    3.9 結論

    第4章 飢えと渇き
    4.1 はじめに
    4.2 自由に摂取させた際の動物の正常な摂食行動
    4.3 1日摂取量が減少しないミールパターンの抑制
    4.4 動物における食物摂取の量的および質的制限の影響
    4.5 栄養不良と栄養不足の健康と福祉への効果
    4.6 渇きと飲水行動
    4.7 結論

    第5章 痛み
    5.1 はじめに
    5.2 痛みの神経生物学:簡単な概要
    5.3 痛みの発生
    5.4 動物の痛みの認識
    5.5 疼痛管理
    5.6 結論

    第6章 恐怖とそれ以外のネガティブな情動
    6.1 はじめに
    6.2 恐怖と気質の評価法
    6.3 動物の認知能力と情動や気分の評価
    6.4 ネガティブな情動による損害
    6.5 恐怖の軽減
    6.6 結論

    第7章 行動制限
    7.1 はじめに 
    7.2 動物福祉に重要な正常行動パターンの特定とその理由
    7.3 欲求不満になった正常行動と動物福祉の例
    7.4 刺激の少ない環境は動物を退屈させるか?
    7.5 結論

    PART3 評価
    第8章 健康と疾患
    8.1 はじめに
    8.2 疾患に対する炎症、免疫および病理学的応答
    8.3 感染症
    8.4 疾患の管理
    8.5 生産関連の疾患
    8.6 痛みと福祉
    8.7 疾患の評価
    8.8 ストックマンシップ
    8.9 獣医師の役割
    8.10 結論

    第9章 行動
    9.1 はじめに
    9.2 正常行動と福祉
    9.3 異常行動と福祉
    9.4 動物福祉研究における行動の計測と実験
    9.5 結論

    第10章 生理指標
    10.1 はじめに
    10.2 ストレスの概念と生理学の関わり
    10.3 動物福祉を評価するための生理指標
    10.4 生理指標による動物福祉の評価の限界
    10.5 結論

    第11章 選好性と動機の調査
    11.1 はじめに
    11.2 初期に行われた選好性調査
    11.3 動物の選好性を正確に特定する実験を確実に行う
    11.4 その他の明確化すべき点
    11.5 動物の選好性の強さを評価する
    11.6 忌避の指標
    11.7 動物の選好性と動機に関する知識を応用する
    11.8 選好性と福祉との関係性を明確にする
    11.9 結論

    第12章  動物福祉を評価(および改善)するための実践的戦略
    12.1 はじめに
    12.2 福祉を評価するために何を「尺度」にするべきか
    12.3 尺度の開発および試験
    12.4 新しい尺度の適用
    12.5 評価の得点化
    12.6 実験動物への適用:人道的なエンドポイント
    12.7 結論

    PART4 解決策
    第13章 物理的環境
    13.1 はじめに
    13.2 特定の変更
    13.3 給餌方法
    13.4 取り扱いと輸送
    13.5 全体的なアプローチ
    13.6 妥協
    13.7 結論

    第14章 社会状態
    14.1 はじめに
    14.2 群生活の進化:自然界における社会的集団の動態構造
    14.3 管理された社会環境の不自然な構造
    14.4 動物種の社会構造に関する知見を用いた飼育管理システムの設計
    14.5 既存の飼育システムにおける社会性がもたらす福祉問題の解決
    14.6 社会的に確立した群における問題の解決
    14.7 社会的問題に対するその他の解決策
    14.8 結論

    第15章 ヒトの接触
    15.1 はじめに
    15.2 ヒトの接触と家畜化
    15.3 ヒトと家畜間の相互作用と関係
    15.4 ヒト-動物関係の評価
    15.5 動物-ヒト関係の発達と動物福祉上の意味
    15.6 動物福祉に対するヒトの接触の効果
    15.7 ヒト-動物関係の改善の機会
    15.8 結論

    第16章 遺伝的選抜
    16.1 はじめに
    16.2 家畜化された品種の遺伝構造
    16.3 近交の解消
    16.4 遺伝的選抜
    16.5 遺伝的選抜を制限する要因
    16.6 遺伝的選抜に関する問題:遺伝的解決策
    16.7 行動的問題
    16.8 骨格的および生理的疾患
    16.9 動物福祉の遺伝的改善のための新たな方法
    16.10 動物福祉を改善するための遺伝的選抜の負の側面
    16.11 結論

    PART5 実行
    第17章 経済
    17.1 はじめに
    17.2 経済的分析の展望
    17.3 動物福祉における経済学の展望
    17.4 経済学的観点からの分析と動物福祉:コストと利益を考察する
    17.5 動物福祉の政策手段
    17.6 動物福祉に人々は「いくら払おうとするか」:事例研究
    17.7 結論

    第18章 インセンティブと規則
    18.1 はじめに
    18.2 法律
    18.3 インセンティブと自主的な手段
    18.4 結論

    第19章 国際的な課題
    19.1 はじめに
    19.2 国際主義
    19.3 貿易
    19.4 輸送
    19.5 と畜およびと畜前の取り扱い
    19.6 結論
    索引

    編著:Michael C.Appleby、Joy A.Mench、I.Anna S.Olsson、Barry O.Hughes
    監訳:佐藤 衆介、加隈 良枝
    B5判 408頁
    ISBN978-4-89531-292-9
    2017年5月発行
    定価:本体7,500円(税別)


    理念・評価・実践

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