内容
図解中心でわかりやすい! 動物感染症の病原体を取り扱うための基本27手技を収録!!獣医学領域における国内初の微生物学実験解説書。無菌操作や、消毒・滅菌法、培地調整、細菌培養・染色など微生物を取り扱う上で必要な技術について、豊富な図版を用い実験の流れやポイントを丁寧に解説する。効率よく且つ正確に病原微生物を取り扱うために必要な手技を網羅。微生物学実験にかかわる幅広い分野で活用できる一冊。衛生検査従事者、家畜保健行政担当者、食品衛生担当者、獣医学生は必携。
[本書の特長]
●微生物学実験の初学者を意識し、無菌操作技術やバイオセーフティ、消毒と滅菌など微生物学実験を行う上で基礎的な項目から収録。
●各実験方法の目的や使用器材・機器、実験時、特に注意すべき事項、実験のコツなどを解説。
●各実験の操作の流れを豊富な写真とともに丁寧に解説。また希釈法や染色法などはイラストを用いて詳細に解説。
●培地や顕微鏡での観察、同定法などの実験結果を導くためのポイントをアドバイス。
●実験結果による色の変化など重要箇所に対応したカラーの口絵を掲載。獣医学生は国家試験対策に活用できる。
目次
序口絵
第1章 無菌操作とバイオセーフティ 加藤健太郎(東京大学大学院農学生命科学研究科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]クリーンベンチ内での無菌操作
第2章 消毒と滅菌 加藤健太郎(東京大学大学院農学生命科学研究科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
[1]消毒
[2]滅菌
実験の手順
[1]高圧蒸気滅菌
[2]乾熱滅菌
[3]ろ過滅菌(ろ過除菌)
第3章 固形培地とコロニー観察 牧野壮一/楠本晃子(帯広畜産大学大動物特殊疾病研究センター)
[A]血液寒天培地
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]血液寒天培地の調整法
[2]試験菌の培養
[3]CAMP試験
実験の結果
[B]マッコンキー寒天培地
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]マッコンキー寒天培地の調整法
[2]試験菌の培養
実験の結果
第4章 液体培養と生菌数測定 鎌田 寛(日本大学生物資源科学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[A]混釈法
[1]実験素材,機器の準備
[2]混釈法による菌数測定
[B]平板塗抹法
[B]-1 平板塗抹法
[1]実験素材,機器の準備
[2]平板塗抹法による菌数測定
[B]-2 メンブレン・フィルター法
[1]実験素材,機器の準備
[2]メンブレン・フィルター法による菌数測定
[C]液体培地希釈法
[1]実験素材,機器の準備
[2]液体培地希釈法による菌数測定
[D]最確数法(most probable number:MPN)
[1]実験素材,機器の準備
[2]最確数法による菌数測定
[E]全菌数測定法
[E]-1 細胞計算盤による全菌数計測
[E]-2 濁度に基づく全菌数の推定
第5章 染色と顕微鏡観察 田島朋子(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験概要
実験の手順
[A]グラム染色(Huckerの変法)
[1]染色液
[2]検体の準備
[3]染色
[4]結果
[B]芽胞染色(Wirtzの法)
[1]染色液
[2]検体の準備
[3]染色
[4]結果
[C]抗酸菌染色
[1]染色液
[2]検体の準備
[3]染色
[4]結果
[D]顕微鏡観察法
[1]油浸レンズ
[2]観察方法
第6章 通性嫌気性菌の培養 佐藤久聡(北里大学獣医学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験概要
実験の手順
[1]分離材料の調整
[2]グラム陽性球菌の分離と同定
[3]グラム陰性桿菌の分離と同定
第7章 嫌気培養法 後藤義孝(宮崎大学農学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
嫌気培養法
[1]スチールウール(ガス置換)法
[2]ガスパック法
[3]酸素吸着剤(アネロパック)法
[4]高層培地を用いた培養法
[5]パラフィン重層法
第8章 真菌の培養 木内明男(麻布大学獣医学部獣医学科)
本実験の目的
実験概要
実験の手順
[A]分離培養法
実験[A]の目的,使用材料・機器
[A]の実験概要
[1]実験進行手順,実験の結果
[B]直接鏡検法
実験[B]の目的,使用材料・機器
[B]の実験概要
[1]実験進行手順,実験の結果
[C]巨大集落検査法
実験[C]の目的,使用材料・機器
[C]の実験概要
[1]実験進行手順,実験の結果
[D]スライドグラス培養法
実験[D]の目的,使用材料・機器
[D]の実験概要
[1]実験進行手順,実験の結果
[E]発芽管試験(ジャームチューブテスト)
実験[E]の目的,使用材料・機器
[E]の実験概要
[1]実験進行手順,実験の結果
[F]糖類の同化能試験(オキサノグラフ法)
実験[F]の目的,使用材料・機器
[F]の実験概要
[1]実験進行手順,実験の結果
第9章 抗生物質感受性試験 谷口隆秀(東京農工大学農学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験概要
実験の手順
[1]実験素材,機器の準備
[2]ディスク拡散法による薬剤感受性試験の実施
[3]判定
[4]精度管理
第10章 プラスミドの検出 原澤 亮(岩手大学農学部獣医学課程)
本実験の目的
[A]プラスミドの抽出
使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]実験素材の準備
[2]機器の準備と電気泳動
[B]プラスミドの分子量推定
第11章 薬剤耐性プラスミドの伝達 迫田義博(北海道大学大学院獣医学研究科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]予備培養
[2]細菌の培養
[3]DHL寒天培地の作製
[4]DHL寒天培地への菌の接種
実験の結果
第12章 ファージ型別 片岡 康(日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]ファージ液の準備
[2]ファージの力価検定
[3]ファージ型別試験
実験の結果
第13章 血清反応 木内明男(麻布大学獣医学部獣医学科)
本実験の目的
実験概要
実験の手順
[A]凝集反応
実験[A]の目的,使用材料・機器
[A]の実験概要
[1]実験進行手順
実験の結果
[B]沈降反応
実験[B]の目的,使用材料・機器
[B]の実験概要
[1]実験進行手順
実験の結果・1
実験の結果・2
第14章 初代細胞培養法 高瀬公三(鹿児島大学農学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]実験場所,機器等の準備
[2]培養液と必要な溶液の調整
[3]発育鶏卵の準備
[4]培養手順の実際
[5]培養細胞の観察(実験の結果)
[6]応用例:腎細胞の培養
第15章 培養細胞の継代とウイルス接種 迫田義博(北海道大学大学院獣医学研究科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]実験前の準備
[2]培養液の調整
[3]細胞の観察
[4]細胞の継代
[5]ウイルス接種用の細胞の準備
[6]ウイルスの接種
実験の結果
第16章 鶏卵接種 田島朋子(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]尿膜腔内接種法
[2]漿尿膜接種法
[3]卵黄嚢内接種法
第17章 細胞変性効果の観察 田原口智士/原 元宣(麻布大学獣医学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験概要
実験の手順
[A]検体がスワブの場合:猫カリシウイルス(FAV)の分離
[1]実験素材,機器の準備
[2]実験進行手順
[B]検体が組織の場合:鶏アデノウイルス(FCV)の分離
[1]実験素材,機器の準備
[2]実験進行手順
[C]検体が組織の場合:潜伏感染しているオーエスキー病ウイルス(ADV)の分離
[1]実験素材,機器の準備
[2]実験進行手順
●顕微鏡観察のポイント
第18章 ウイルス感染価の測定 田邊太志(北里大学獣医学部獣医学科)
本実験の目的
実験概要
実験の手順
[A]細胞変性効果によるウイルス感染価(TCID50/mL)の測定
[A]の実験概要,使用材料・機器
[1]実験進行手順
[2]TCID50/mLの算出(Reed and Muenchの方法)
[B]プラック形成法によるウイルス感染価(PFU/mL)の測定
[B]の実験概要,使用材料・機器
[1]実験進行手順
[2]PFU/mLの算出方法
[C]フォーカス形成によるウイルス感染価(FFU/mL)の測定
[C]の実験概要,使用材料・機器
[1]実験進行手順
[D]赤血球吸着反応によるウイルス感染価の測定
[D]の実験概要,使用材料・機器
[1]実験進行手順
[E]発育鶏卵を用いたウイルス感染価の測定
[E]の実験概要,使用材料・機器
[1]実験進行手順
第19章 封入体の染色と観察 遠矢幸伸(日本大学生物資源科学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時,特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]滅菌カバーガラスの準備
[2]ウイルス感染細胞の準備
[3]染色液などの準備
[4]ラックへの移動
[5]染色
[6]顕微鏡観察
第20章 中和実験 芳賀 猛(宮崎大学農学部獣医学科)
本実験の目的 実験概要
実験時,特に注意すべき事項
[A]血清希釈法による中和試験
使用材料・機器
実験の手順
[1]攻撃ウイルスと感受性細胞の準備
[2]血清希釈列の作成
[3]中和反応
[4]細胞の準備と添加
[5]抗体価の算出
[B]ウイルス希釈法による中和試験
第21章 赤血球凝集反応と赤血球凝集抑制反応 白井淳資(東京農工大学農学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験概要
実験の手順
[1]実験素材,機器の準備
[2]HA反応
[3]HI反応
実験の結果
第22章 蛍光抗体法 田邊太志(北里大学獣医学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験概要
実験の手順
[1]試料の準備
a.培養細胞の場合
b.感染臓器の場合
c.組織片の場合
[2]抗原抗体反応
a.直接法
b.間接法
第23章 免疫酵素抗体法 川本恵子(帯広畜産大学大動物特殊疾病研究センター)
本実験の目的 使用材料・機器
実験概要
実験の手順
[a]前日からの準備
[b]実習当日
[1]ブロッキング
[2]段階希釈による標準物質と検体の調整
[3]標準液および検体との反応
[4]2次抗体との反応
[5]発色反応と吸光度測定
実験の結果
第24章 補体結合反応 白井淳資(東京農工大学農学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験概要
実験の手順
[1]実験素材,機器の準備
[2]溶血素単位の測定
[3]補体単位の測定
[4]本試験
実験の結果
第25章 サイトカン 芳賀 猛(宮崎大学農学部獣医学科)
本実験の目的
実験概要
[A]活性を利用したサイトカン測定(バイオアッセイ)
[A]の実験概要 使用材料・機器
実験の手順
[1]1日目:L929細胞の調整
[2]2日目
[3]3日目
[B]ELISAを利用したサイトカン測定
[B]の実験概要
実験の手順
●応用編
a.Bio Plex/Luminex(FCM)等によるサイトカン測定
b.RT-PCRによるmRNA測定
第26章 リンパ球の幼若化反応 萩原克郎(酪農学園大学獣医学部獣医学科)
本実験の目的 使用材料・機器
実験概要
実験の手順
[A]PBMC(末梢血単核球)分離
[1]準備
[2]手順
[B]リンパ球幼若化能試験(Con Aを用いた場合)
[1]準備
[2]手順
実験結果の整理
第27章 フローサイトメトリーによるT細胞サブセットの解析 川本恵子(帯広畜産大学大動物特殊疾病研究センター)
本実験の目的 使用材料・機器
実験時、特に注意すべき事項
実験概要
実験の手順
[1]脾臓および胸腺の摘出
[2]細胞の調整
[3]2重免疫染色
[4]フローサイトメーターによる解析
実験の結果
参考文献
索引
監修:原澤 亮、本多 英一
A4判 216頁
ISBN978-4-88500-664-7
2009年9月発行
定価:本体4,800円(税別)
A4判 216頁
ISBN978-4-88500-664-7
2009年9月発行
定価:本体4,800円(税別)
Laboratory Manual for Veterinary Microbiology