犬と猫の早期疾病診断学

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    内容

    これからの獣医療は「治す」から、「防ぐ」時代へ―
    今後、ますますの発展と臨床現場への普及が期待される予防動物医学の最新情報を網羅。
    伴侶動物の早期疾病診断について、最新検査法とともに解説した先進的獣医学書!

    本書は、予防すべき疾病の特徴を前段とし、検査の特徴、異常値の判断、類症鑑別、治療法などを系統的に示し、それぞれの疾患を図表や写真を豊富に用いて丁寧に解説。実際に使用されている検査法・診断データに基づく遺伝子診断やメタボローム解析などについても、最新の解説が随所に盛り込まれ、臨床現場でも大いに役立つ内容になっている。

    [本書の特長]

    ●代謝病、遺伝病、感染症、がんなど19 種類の疾病について、予防のポイント、検査の特徴、異常値の判断、健康目標値の管理、類症鑑別、治療法などについて豊富なビジュアルとともに詳説。
    ●メタボリックシンドローム、高脂血症、糖尿病といった「生活習慣病」の新しい検査および診断方法、治療法を提案。
    ●コリー眼異常やガングリオシドーシスなど特定の犬種に多いとされる遺伝病について、遺伝子検査や類症鑑別のポイントなどについて解説。
    ●予防動物医学研究会が長年にわたり蓄積してきた、犬と猫の血液生化学検査基準値を収録。さらに、特別療法食に関するデータや動物看護師の役割、輸血の概要などの実用情報を掲載。

    目次

    [総論]

    1.予防動物医学の考え方  新井 敏郎(日本獣医生命科学大学)
    診断治療から予防へ
    新たな疾病制御システム
    メタボリックドミノ
    予防動物医学のメリット

    2.検体の取り扱い方  川角 浩(日本獣医生命科学大学)
    検体の保存と保管
    血清・血漿の分離
    検査に不適当な血清・血漿
    1.溶血
    2.乳ビ
    3.高ビリルビン
    輸送時の取り扱い留意点
    検体収集にかかる費用

    3.早期診断のための検査計画の進め方  川角 浩(日本獣医生命科学大学)
    データ判読の基本
    1.数値への信頼
    2.動物種に特異的な検査法であるか
    3.基質の測定と酵素の測定の違い
    4.検査のグローバルスタンダード化
    異常値と考え方
    1.変化する異常値の捉え方
    2.Personal Health Record の重要性
    3.遺伝子検査について
    まとめ

    4.遺伝子解析法の基本  山本 一郎(日本獣医生命科学大学)
    様々な遺伝子解析法
    1.遺伝子発現解析
    2.ゲノムDNA解析

    5.疾病統計と予測  島村 麻子(アニコムホールディングス株式会社)
    疾病統計と予防
    ハイリスク・ストラテジー
    海外の疾病統計を利用する場合の注意点
    PDS(plan-do-see)サイクル
    2つの要因と2つの対策
    ポピュレーション・ストラテジー

    [各論]

    1.肝臓病  鷲巣 月美(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法

    2.糖尿病(犬)  森 昭博(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    基準値と異常値
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法
    1.食事およびカロリー設定
    2.インスリンの選択
    3.血糖コントロール目標

    3.糖尿病(猫)  森 昭博(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    基準値と異常値
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法
    1.食事の選択
    2.インスリンの選択
    3.血糖コントロール目標

    4.高脂血症  森 伸子(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント

    5.メタボリックシンドローム  新井 敏郎(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法(対処法)

    6.腎臓病(急性腎不全)  宮川 優一(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法

    7.腎臓病(慢性腎不全)  宮川 優一(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    類症鑑別のポイント
    治療法

    8.がん(肥満細胞腫)  盆子原 誠(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    基準値と異常値
    異常値を示す疾患の考え方
    治療法

    9.がん(リンパ腫瘍)  盆子原 誠(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    基準値と異常値
    異常値を示す疾患の考え方
    治療法

    10.リンパ球系腫瘍におけるリンパ球表面マーカー解析  植松 洋介(株式会社ケーナインラボ)
    検査の特徴
    異常値を示す疾患の考え方
    治療法

    11.がん(乳腺腫瘍)  岩野 英知(酪農学園大学)
    検査の特徴
    検査値と疾病との関連
    1.MSP法(methylation-specifi c PCR)
    2.COBRA 法( combined bisulfite restriction analysis)
    今後の展開

    12.がん(膀胱がん)  道下 正貴(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    検査所見と疾病との関連
    類症鑑別のポイント

    13.遺伝病(銅関連性肝炎,銅蓄積症)  土田 修一(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    検査法と結果
    遺伝子検査の結果の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法(対処法)

    14.遺伝病(ガングリオシドーシス)  大和 修(鹿児島大学)
    検査の特徴
    1.PCR-RFLP法
    2.PCR-PIRA法
    3.MS-PCR法
    4.MGB probeを用いたreal-time PCR法
    基準値と異常値
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法

    15.遺伝病(コリー眼異常)  大和 修(鹿児島大学)
    検査の特徴
    1.2-step PCR 法
    2.SYBR Greenを用いたreal-time PCR 法
    基準値と異常値
    異常値を示す疾患の考え方
    1.CEA関連変異陰性のCEA犬種または症例
    2.マール症候群に関連したCEA 様変化
    3.PCR 上の問題
    類症鑑別のポイント
    治療法

    16.がん(血清フェリチンの臨床的有用性)  近澤 征史朗(北里大学)
    細胞内の鉄代謝とフェリチン
    検査の特徴
    異常値を示す疾患の考え方

    17.甲状腺機能亢進症  左向 敏紀(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    異常値を示す疾患の考え方
    基準値と異常値
    類症鑑別のポイント
    治療法

    18.副腎皮質機能亢進症  左向 敏紀(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    基準値と異常値
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法

    19.猫のウイルス感染症  田中 良和(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    リアルタイムPCR法
    基準値と異常値
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法

    20.犬と猫の免疫病  中垣 和英(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法(対処法)

    21.犬と猫のてんかんと発作性疾患  長谷川 大輔(日本獣医生命科学大学)
    検査の特徴
    基準値と異常値
    異常値を示す疾患の考え方
    類症鑑別のポイント
    治療法

    Appendix

    1.犬と猫の特別療法食とエビデンス  坂根 弘(ヒルズペットニュートリションジャパン アジア-パシフィック日本支社)
    獣医科用特別療法食のはじまり
    特別療法食の位置付け
    操作対象の栄養素
    栄養補助食品の食餌への補充
    利用可能な特別療法食の種類
    臨床研究によるエビデンス

    2.予防医学における動物看護師の役割  松原 孝子(日本獣医生命科学大学)
    動物看護の目的
    動物病院における動物看護
    予防医学における動物看護

    3.輸血─特に成分輸血と自己血輸血─(血液型研究を基にした輸血の概要)  池本 卯典(日本獣医生命科学大学)
    全血輸血から成分輸血へ
    犬と猫の血液系遺伝子標識一覧表
    赤血球多型の判定用抗体
    成分輸血

    4.牛の免疫異常症  大塚 浩通(北里大学)
    検査の特徴
    基準値と異常値,その考え方
    治療法(対処法)

    5.牛の乳房炎  林 智人(動物衛生研究所)
    検査の特徴
    異常値を示す疾患の考え方
    新しい乳房炎の早期診断法
    類症鑑別のポイント
    治療法(対処法)

    6.SmartAmp法による人の遺伝 子検出技術とその応用について  向後 泰司(株式会社ダナフォーム)
    遺伝子検出技術による医療への応用
    SmartAmp 法の特徴
    SmartAmp 法に基づく研究用試薬例
    ALDH2遺伝子のSNP検出例
    獣医領域での応用について

    7.犬と猫の血液生化学の基準値  予防動物医学研究会
    犬の血液中の代謝産物・ホルモン濃度及び酵素活性〈雌〉
    犬の血液中の代謝産物・ホルモン濃度及び酵素活性〈雄〉
    年齢別・犬と猫の血液中の代謝産物・ホルモン濃度及び酵素活性

    編集:予防動物医学研究会
    B5判 208頁 オールカラー
    ISBN978-4-88500-683-8
    2011年7月発行
    定価:本体7,800円(税別)


    最新検査法による予防動物医学へのアプローチ

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