内容

ペットとして大切にされている猫から野生の捕食者としての猫まで、すべての猫を扱い、さまざまな状況や環境で猫がどのように生き、行動しているかを紹介。イエネコの謎を解く、ペット愛好家と動物行動学や獣医学の専門家の両方にとって猫の真実を理解する助けとなる猫の行動学書決定版。

目次

第１部　序論

　第１章　なぜ猫なのか？

第２部　子猫の発達

　第２章　猫における行動の発達
　　はじめに
　　正常な発達
　　発達の過程
　　社会環境
　　段階と連続性
　　異なる生涯／結語

　第３章　母猫と子猫の関係に影響を及ぼす要因
　　はじめに
　　情報源（研究の対象として使われた猫）
　　猫の母子関係の背景
　　猫の母子関係における行動的尺度
　　猫の母子関係に影響を及ぼす至近要因
　　他の成雌猫が母子関係に及ぼす影響
　　さまざまな育子スタイル
　　まとめと今後の課題
　　謝辞

　第４章　イエネコの個性：その起源と発達ならびに安定性
　　はじめに
　　個性とは
　　猫の個性の評価方法
　　猫の個性について考える場合、どういった問題が浮かび上がってくるか
　　猫の個性の起源
　　個性の発達と長期に渡る一貫性
　　猫の個性は状況にかかわらず不変的なのだろうか？
　　猫の個性には、さまざまなタイプがあるのだろうか？
　　結語
　　謝辞

第３部　社会生活

　第５章　イエネコとその近縁野生種が使うさまざまなシグナル
　　はじめに
　　イエネコどうしのコミュニケーション
　　イエネコの間で交わされるシグナルの機能的構造
　　野生のネコ科動物のコミュニケーション：
　　家畜化がシグナルを発する行動に及ぼす影響
　　野生のネコ科動物における空間構成
　　野生のネコ科動物におけるコミュニケーション：系統間の相違
　　家畜化が猫どうしの間で交わされるシグナル行動に及ぼす影響
　　結語

　第６章　イエネコの群居性：イエネコの社会生物学と疫学
　　はじめに
　　群れの形成と資源の入手可能性
　　群れをつくって生活するイエネコの社会構成
　　性別、年齢ならびに社会的地位からみた健康状態の相違
　　群れに認められる病原体の広まり
　　結語
　　謝辞

　第７章　イエネコとその他のネコ科動物における生息密度と
　　　　　空間構成ならびに繁殖戦術
　　はじめに
　　用語の定義
　　生息密度
　　行動圏の広さ
　　空間分布
　　他のネコ科動物の空間構成
　　結語

第４部　捕食行動

　第８章　イエネコの狩猟行動と獲物となる動物個体群への影響
　　はじめに
　　狩猟方法‐猫は「どのように」狩猟するか
　　狩猟の処理行動‐獲物の捕獲に成功した後、猫はどういった行動をするのか
　　行動パターンとその配分状況‐猫の狩猟行動はいつ行われるか
　　狩猟領域‐猫は“どこで”狩猟をするのか
　　成功率
　　猫の食物
　　食物について、どこでどのように研究がなされているか
　　大陸に生息する猫の食物
　　島に生息する猫の食物
　　獲物となる動物の生息数への影響
　　恩恵をもたらす影響、害獣駆除
　　悪影響
　　謝辞

第５部　猫と人

　第９章　猫の家畜化と歴史
　　猫の起源
　　家畜化
　　エジプトの猫
　　バステート神（Bastet）崇拝
　　アフリカからの広まり
　　猫に対する態度の変化
　　近年の猫に対する態度
　　結語

　第10章　人と猫の関係
　　はじめに
　　関係の確立と維持
　　猫から人への愛着に対して影響を及ぼすその他の要因
　　猫の気質、個性
　　猫に対する人側の愛着
　　人と猫のきずなを説明するメカニズム
　　関係性の違い
　　猫による影響
　　関係の質
　　謝辞

　第11章　猫の福祉に関する問題
　　はじめに
　　猫の生息数
　　猫の過剰個体数の問題
　　猫の過剰問題に対して提言する方法
　　猫の飼育条件
　　猫の飼育指針
　　特定の環境
　　その他の問題
　　結語
　　謝辞

第６部　後記

　第12章　猫に関する疑問あれこれ
　　はじめに
　　猫が適応する環境とは
　　猫がのどをゴロゴロ鳴らすのはなぜか
　　なぜ猫は前足で爪とぎをするのか
　　猫はなぜ尿スプレーをするのか
　　猫はなぜ自分の糞便を埋めようとするのか
　　猫ははぜ体（の一部）をこすりつけるのだろうか
　　猫がにおいをかいだ後に、しかめ面をするのはなぜか
　　猫の友好性を示すそぶりとは
　　猫は協力しあうのだろうか
　　猫ではどのようにして離乳が起こるのか
　　食物のある近くの床を猫がひっかくのはなぜか
　　猫は獲物をどのようにして捕るのか
　　猫によって大きな違いが認められるのはなぜか
　　猫は考えるか
　　結語