海の森づくり

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    内容

    古来より日本の食文化、重要産業として発展してきた漁業・水産業は、地球環境の悪化やグローバリゼーション、日本人のライフスタイルの変化などのさまざまな要因により衰退の危機に直面している。世界有数の海洋国と呼ばれ、多くの魚介類に恵まれていたはずの日本の海で、いま何が起こっているのか。さらに日本の海洋環境の改善、水産業の復活策として期待され、全国的な広がりを見せる「海の森づくり」運動とは何か。
    本書は、漁業経済学者として国内外の水産業問題に携わってきた松田惠明氏が日本の漁業・水産業が抱えるさまざまな問題を提起し、漁業環境の復活のカギとして注目を集める「海の森づくり」について解説。豊富なデータや事例を交えながら、大型海藻の海中林・藻場づくりの重要性と、同氏が代表を務め全国的な広がりを見せるNPO「海の森づくり推進協会」の活動について紹介する。さらに、エコ効果や環境浄化作用、肥料や医薬品への利用、環境教育や社会教育、食育など「海の森づくり」が持つ幅広い可能性について解説した、水産関係者必読の書。


    [本書の特徴]

    1.日本の漁業・水産業の現状および課題、海の環境問題について、豊富なデータとともに分析。
    2.注目を集める「海の森づくり」運動について、国内の成功事例を交えながら藻場の効果や重要性について解説。
    3.温暖海域におけるコンブ養殖法のノウハウを図表とともに解説する「コンブ栽培マニュアル」を収録。

    目次

    第1章 私たちの周りで今、何が起こっているか?

    1.魚が食べられないって本当?
    1)日本人と魚
    2)水産物輸入大国日本
    3)買い負け
    4)比較優位性を活かせ
    5)これからの対策

    2.漁村の衰退は日本沈没に通ず
    1)なぜ、日本の水産は起死回生を迫られているの?
    2)日本の食料安全保障は大丈夫?
    3)日本の環境安全保障は大丈夫?
    4)日本のエネルギー安全保障は大丈夫?
    5)水産業・漁村の崩壊

    3.海の環境
    1)病んでいる海
    2)元気な故郷の海(事例1)
    3)元気な故郷の海(事例2)
    4)陸・山・川・海・空は1つ
    5)海の時代


    第2章 海の森づくりの重要性

    1.海藻・海草って何?
    1)海藻と海草の違い
    2)海藻・海草の生態と役割
    3)地球の歴史とともに
    4)天然の藻場の効用
    5)「栽培漁業」と「つくり育てる漁業・豊かな海づくり」
    6)これからの藻場づくり

    2.海の森づくり運動って何?
    1)「海の森づくり推進協会」の誕生
    2)動機と手段
    3)基本計画
    4)具体的にやっていること
    5)海岸構造物の利用
    6)海洋施肥技術
    7)浮沈式大規模海中林の造成技術

    3.海の森づくり運動.グラミー銀行「海」バージョン.
    1)海の森づくり運動の現状
    2)愛媛県宇和海の事例─地球の環境改善は海の浄化から─
    3)長崎県壱岐の事例─“ 汚濁の海” を“ 宝の海へ”─
    4)沿岸域の環境改善─森・川・海の循環型社会創造の原点─
    5)栽培漁業革命─生物多様性に貢献する水産増養─
    6)食育─ヘルスフードが注目されています─
    7)二酸化炭素削減─急がば回れ─
    8)エネルギー大国への道
    9)世界に誇る日本の水産インフラを活かさないわけはない
    10)国家貢献─水産・漁村の多面的機能をもっと大切に!─
    11)日本の国際貢献─日本にしかできない国際貢献を!─

    4.東京ブルーベイ構想

    5.課題:生産コストの軽減・生産物の利活用
    1)生産コストの軽減
    2)生産物の利活用
    3)閉鎖海における環境修復
    4)国策の補完の課題
    5)里海活性化の課題
    6)国際貢献の課題

    ◆コラム
    漁業法の哲学と水産業協同組合法 / 漁業補償
    水産業および漁村の多面的機能 / 責任ある漁業

    ◆海の森づくり運動Q & A
    なぜ、コンブ? / 来生物問題はないの?
    なぜ、ロープなの? / 種糸はどこから来るの?
    国策としての藻場造成とどう違うの?
    コンブの人工海中林は地球温暖化防止に役立つの?
    海の森づくりと食育の関係は?
    海洋施肥材は果たして磯焼けに有効なの?
    北海道のコンブ業界と競合しないの?

    ◆付録「コンブ栽培マニュアル」
    1. 長崎県大村湾コンブ栽培1万t生産計画(案)
    2. 温暖海域のコンブ栽培マニュアル
    3. コンブ種苗生産について
    4. 重茂漁業協同組合での種苗生産
    5. 鳴門でのコンブの無基質培養
    ママたちの座談会?

    おわりに

    著:松田 惠明
    A5判 168頁
    ISBN978-4-89531-017-8
    2010年3月発行
    定価:本体2,400円(税別)


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